みのりの手【コミックス版】
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みのりの手【コミックス版】

スカーレット・ベリ子

なまめかしい手

ネタバレ
2021年4月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ ジャッカスからの作者様買いです。何てこったい、これがデビュー作?スゴい完成度の高さに驚きです。整体師のみのり先生の『手』が妖しくうごめく様が官能的です。まさに『みのりの手』。綺麗でなまめかしい手。その手で何人治療と癒しを施したのでしょう。密室のエロスですよね。何故そんな事に?
雨の日に憂いをまとうみのり先生。何から逃れて、手を操るのか?と謎めいて引き込まれるんですよね。そして憂いの原因となった出来事。
自分を責める気持ちも痛いほどわかるけど、逃げてしまえば残された壮太も余計に辛くなりそうです。
時間は進み、人の人生も止まったままではない。新たな道を進む壮太の勇気も凄いと思います。だから、みのり先生も向き合って欲しいですね。お互い大事な事はわかってるはずだから。その手で壮太だけを癒してあげて欲しいな。空白だった二人の時間を存分に取り戻すのでしょうねぇ。良かった!
同時収録は人気漫画家と高校時代の同級生の話。これがまたいいんです!これ、好き~。お世話係に徹する猫ちゃん。年も37歳だし、自分の立ち位置をふと考える。欲しかった言葉と居場所。
短編だけど、じわじわと来る感動。最高です。
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