イジワル社長と身代わり婚約者
」のレビュー

イジワル社長と身代わり婚約者

立花実咲

気づかないものなんだろうか

ネタバレ
2021年4月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 盲目的というヒーローだけど、たしかに盲目といわれても仕方ない。ヒロインと従姉女性の区別がつかないし、各々を抱いてしまうし。
少しずつ違和感が出て、違う人とわかり始めるのに、そのままヒロインを抱き続けるきちくぶり。
下手な遊び人設定よりもたちが悪い。
本人はいたって本気で恋をしてるつもりで、二人の女性を抱いてるんだから。
ヒロインの同僚男性が、自分のほうが、ヒロインを好きで見分けられたと胸を張っていたけど、その通りで、ヒーローは結局初恋のイメージを追いかけてるだけで、別人の従姉すら溺愛してて、結局誰でも良かったと読者としては感じてしまった。
ヒロインが一途に健気にヒーローを好きだから、ヒーローとのハッピーエンドなんだろうけど、本物の愛と誠実さを持っているのは、同僚男性のほうだろうに。どうにも、親族二人の女性と関係をもってしまって、さらにはそれを各々に純愛と思い込めるヒーローって気持ち悪い。ヒロイン、従姉女性、どちらの立場にもなりたくないと思わせる。
マンガ版も読んで、やっぱり変わらないのは、ヒーローの気持ち悪さ。すぐにヒロインと従姉が別人だと気付いた悪役男性のほうが、きちんと各々を見てて、ちゃんとどっちを愛してるのか認識してるってことだから。その点でも、ヒーローは気持ち悪くて、悪役男性にすら劣る。盲目的になれるのなら、誰でも良さそうなたちの悪いヒーロー。ヒロインは男を見る目がない。従姉のほうが、男性を見る目があると思う。不倫であっても本気で自分を愛してくれてて、ヒロインとの区別もすぐに見分けられたし、結婚した秘書男性も二人を間違えることがないし、従姉女性一人を一途に愛してるし。
そう考えたら、初恋女性と刷り込まれたら、誰でも良かったヒーローが一番クズ。
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