BOYS OF THE DEAD
」のレビュー

BOYS OF THE DEAD

富田童子

作者の才能に呑まれる

ネタバレ
2021年4月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1970年代アメリカ、感染すると変異し人肉を食べるゾンビになる終末世界。3作品。フォローしている方のレビューに惹かれて初読みです。
ゾンビやBLというより世末世界の設定と
既に人間では無い、これから無くなる自分の愛す
る人へのそれぞれの選択が胸を打つ。愛して愛する事は綺麗なもののはずなのに、同居するグロテスク。
生き残った記者が3cpそれぞれの最後を静かに回収。
好みや、BL薄めの感想も飛んで作品に呑まれる。


作者さんの他作品見たくて検索。初作品は「うつくしいものたち」講談社2017四季、冬コンテスト大賞受賞。52ページ。
作者さんを検索したら読めました。
醜く生まれた為、捨てられ井戸の中で、修理屋として
1人で生きる主人公。ただ一度だけ瞳を褒めてくれた
少年を助ける為に。助ける為の選んだ犠牲は、主人公にとっては生まれて始めての光と希望だった。
酷さと苦しみしか与えない世界を何も恨まず、母親に叱られずに済んだ少年の事を安堵する、主人公のうつくしさを誰も知らない分からない。そのうつくしさが切な過ぎる作品。こちらも抉られました。
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