それは春の終わりに
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それは春の終わりに

野白ぐり

はぁ~、恋したい。

2021年4月10日
初コミックスおめでとうございます。単話売りで『甘噛みのエビデンス』という作品があるので、デビューはそちらなのでしょうか。
春にぴったりな優しい色合いの表紙が素敵です。もうこれだけで、恋の訪れを感じます。春は出会いと別れの季節でなんだかソワソワしますが、恋の予感にさらにソワソワしそう。
春くんは過去の恋に感情の揺れもなく、心がずっとフラットな状態で過ぎた日々。それを恋と呼んでいいのかわかりませんが、あまり感情が動かないタイプなんでしょうね。春くんの心を動かした中原との出会い。会うだけで胸が苦しくなるような恋。好きな人がいるだけで目で追ったり、ずっと話していたかったり…キャー。キュンキュンしちゃう。春くん、本気の初恋ですねぇ。たまりません。
中原は軽く遊ぶつもりでいたけれど、子犬がクゥンクゥン鳴くような目で見られたら、そりゃ構いたくなるってもんです。逆に翻弄されてワタワタしてる中原が可愛く見えます。中原も本気の初恋なのかもしれませんね。いつの間にか、穏やかな心でなくなったのは中原の方ですねぇ。なんだか春くんの手中に落ちた感じです。恋が人を変えるんですよね。いいなぁ、恋って。心のビタミン剤です。心が潤って、毎日が楽しい。そう思わせてくれる素敵な一冊です。
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