いつか飛びたい風見鶏
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いつか飛びたい風見鶏

阿部あかね

痛快!

ネタバレ
2021年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ すご~く面白かったです。BL感が薄いけど、再生再建物語として楽しめました。他のレビューで『朝ドラ』みたいと表現されていらっしゃいましたが、私朝ドラ見たことないので、私的に言うと『日曜夜9時 日曜劇場』のイメージです。違うかな?
経営が火の車の中、突然消えた料理長。完全なピンチです。古い老舗洋食店を立て直すべく、経営コンサルタント登場の展開。小松の出す提案に、やる気が全く見えない跡取り息子の朝彦。何を燻らせているのだろう…
小松のコスト削減の具体策は、合理的ではあっても、老舗の店には情緒を失うものですね。母の守りたいものには違い過ぎ、従業員たちのやる気を損なう始末。本当に守りたいものは?何を守るべきか?
頼みの綱は、レシピを知り作る事の出来る朝彦だけ。ですが、父親から許されなかった料理。父親は朝彦に何を求め、朝彦には何が足りなかったのか。その過去が朝彦のやる気を邪魔していたんですね。背中を押した小松。取り戻した情熱。もう面白くないはずがない!なんだかクライマックスのBGMが流れてきそうな盛り上がり(米津玄師でお願いします)。朝彦の涙が印象的でした。老舗を守る事にこだわり過ぎて、見えるものまで見えなくなる。自分に足りないものに気づき、守るべきものを守りながら変えていく。感動です。
最後にBLらしく小田和正『ラプストーリーは突然に』って感じです。再建物語ですが十分いいけど、やっぱりBLなんで♪面白かったですぅ。あぁ、洋食食べたくなって来た。
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