記憶喪失の侯爵様に離縁されそうです
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記憶喪失の侯爵様に離縁されそうです

ちろりん/whimhalooo

健気なヒロインに涙

ネタバレ
2021年4月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 女嫌いの侯爵嫡男23歳×伯爵令嬢20歳。老若男女を問わず魅了する見目麗しいヒーロー。しかし彼は十一年前、12歳の時に未遂とはいえ年上の令嬢三人による性的暴行を受け、極度の女嫌いになっていた…。国王命令の政略結婚から一年。階段から落ちた衝撃からか、過去三年分の記憶を失っていた彼は記憶にない妻に出ていくよう告げる。翌朝、離れで馬車の準備が出来るのを待っているヒロインの前に彼が現れた。前のめり気味に離婚の話をすると何故か待ったがかかり、失った過去を話すよう求められたため、順を追って語り始めるヒロイン。結婚に至る経緯を話し終え屋敷を出ていこうとすると、納得するまでは留まるよう命じられる。毎日手土産を持って離れを訪れ、彼女が勝手に逃げだせないよう手を打っていく。そんなある日、王太子が訪れてヒロインを責め始める。ヒーローが記憶を失った日、当主不在の隙を狙ってやって来た王太子に過去の暴行未遂事件関係者だっことを糾弾されていたのだ。出て行って離縁するか罪を告白するかの二択を迫られ、出ていくことを選んでいたヒロイン。王太子が友人に対して禁断愛を抱いてたのには驚いた…。王太子が修道院まで送ることを告げると、夫婦のことに口を挟むなと激高するヒーロー。彼は記憶喪失になった翌日には記憶を取り戻していたのだ。記憶を失くした振りをしてまで彼女の本心、彼女の視点から見る世界が知りたかった。そしてヒロインがあの時の少女だったことも顔合わせの時に気付いてて黙ってた、と爆弾発言を落とす。事件直後も彼女が処罰されないよう庇っていたヒーロー。彼が婚約し結婚したのも愛ゆえ。恋慕の気持ちを封印し贖罪のために結婚したヒロインの気持ちとのすれ違いが切なかった。妻の気持ちが見えず不安になって初夜のやり直しもできなかったヒーローは、愛を告げた後はぐいぐい攻めていく。悲惨に終わった初夜から一年。今まで通り愛の交歓ができなくても満足と考えていた妻は自分の思い違いを知る。終始甘い雰囲気を醸し出し屈託のない笑顔を向ける夫に、ときめきと戸惑いを抱えながら熱い夜を過ごすことになったヒロインの反応が可愛い。愛の言葉を何度も繰り返し伝えあう二人に、過去を乗り越えて幸せになれてよかった!と涙した
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