記憶を失くした国王は、昼も夜も王妃を愛します
」のレビュー

記憶を失くした国王は、昼も夜も王妃を愛します

榎木ユウ/南香かをり

137ページですが

ネタバレ
2021年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ ページ数以上の満足感でした。記憶が戻ったタイミングと国王の本音を知った後でもう一度最初から読むのも楽しかったです。
冒頭の愛の無いお渡りのシーンがやや読む人を選ぶかもしれませんが……国王の不器用さがもう致命的なレベルなせいで、ここまで悲惨な行き違いが起きてしまうとは恐ろしいことです。行いのあまりの酷さに、記憶喪失中の国王自身が「ヘタクソ」と酷評していたのには笑いました。
中盤の舞踏会のシーンがとても好きです。過去に国王を惚れさせた鳥籠の鳥の問題では、鳥を殺してしまうという国王に対して、鳥が鳴くまで待つという生かす道を用意した王妃。その後、愛妾を用意することで国母としての己を殺すことを選択した王妃に対して、愛妾を選ばないという道を選択した国王。分かり合えるまでに大きな苦労がありましたが、いい組み合わせだと思います。
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