心をなくした皇帝とお飾り皇妃 ~結婚二年目にして溺愛生活始まりました~【イラストなし】
日車メレ/タカ氏
このレビューはネタバレを含みます▼
評価が高かったので楽しみに読みましたが、本当に面白かったです。リリアーヌが政略結婚で嫁いだ夫は賢王ながらも「心を無くした皇帝」と呼ばれるメレディス。政略結婚であろうと、皆からどう呼ばれようと、妻として夫を支えようと思っていたリリアーヌでしたが、結婚しても一緒に過ごす時間はわずかで、会えたとしても常に怖い顔で悪態をつくばかりで、夫婦の不仲説が囁かれる有様でした。当然のように世継ぎなど生まれる訳もなく、結婚から一年が経った時にリリアーヌはメレディスに公妾の話を持ち掛けます。その夜リリアーヌの部屋を訪れたメレディスは今までのリリアーヌに対する態度についての告白を始めます。自分の胸の内を余すところなく晒すはめになる訳ですが、メレディスの羞恥心はいかばかりかと同情する気持ちと、如何にリリアーヌを溺愛し、大事に思っているのかがよく伝わってきて、読んでいる間中ずっとニヤニヤしっぱなしでした。そして何より「ツンデレ」がまるで魔法の言葉のように、あらゆる場面でこれ程効果的に使われるストーリーに初めて出会ったような衝撃で、思わずスゴイ!と言ってしまいました(笑)リリアーヌの作戦のおかげでメレディスがもう何を言っても、何をしても、ツンデレと言うだけで、周りがうんうん、と納得してしまう展開が堪りませんでした!コメディ要素だけでなく、ストーリーもよく練られていて面白かったです。
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