あなたに捧げる赤い薔薇
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あなたに捧げる赤い薔薇

一メルカ/jupiter/アオイ冬子

一体何の為に誤解し続けたのか…

ネタバレ
2021年4月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 広告から気になって読んでみました。
こういう切ないすれ違いの両片想いって大好物なのでそこそこ楽しめましたが、わりとツッコミ所が多すぎてむしろどこをツッコんだら良いのか分からないストーリーだったのが残念でした。

普通は自然と生じるすれ違いだからこそ切ない展開になると思うのですが、この作品では主人公自らが「その演技、する必要あったの?」と思うようなやり取りを冒頭から、1巻丸々繰り広げています…。
しかも旦那は、それが演技であることを気付いています。じゃあほっとかないでやめさせてやれよ、、バレてるとか痛々しすぎるだろ…って思いました(苦笑)

主人公的には、その演技は旦那に離縁を言い渡される為の大切な大芝居のつもりだったのですが。
そのくせに、うたた寝する旦那を見て思わず「愛しています」って本人に言うとか、そんな迂闊な行動取る?
今まさに嫌われる為の演技をしてる最中に…。
ほんとに寝てて聞かれてなかったことが奇跡ですよ。
個人的には、旦那は演技に気付いてなくて、でもその「愛しています」を聞いてしまってそこから彼女を見る目が変わってゆく…みたいな王道展開の方が良かったです。

この作品で1番気が狂ってるのは誰だろう?
最初は、愛人役や協力者を用意してまであえて悪女を演じている主人公を本当に気が狂ってんじゃねぇかと思いました。
旦那やその恋人(と思ってる従兄妹)をずーっと虐めるくらいなら、普通に離縁を申し出れば良かったのに。
離縁後のお家の体裁を気にして悪女役を買ってでたらしいですが、なんだかなぁ。
2人にとっては離婚後の苦しみより、目先の悪女による暴言のほうがつらいと思うけど(笑)まぁ全て勘違いだったんですがね…。

話を読み進めるうちに、旦那であるオルフェウスも大概変な人だと思いました。
主人公のことが好きなくせに、誤解されっぱなしでも、彼女が離縁したがって演技を始めても、ずーっと放置。
そのくせに手放す気は無いって、新種のヤンデレですか。

更に怖いのは従兄妹のダイアナですね。
さっさと、オルフェウスじゃなくて執事が好きって言えば良かったのに。
オルフェウスもダイアナも、主人公に信頼を寄せているくせに、そこは黙っとくんだ?
誤解のせいで主人公が苦しんでるのを知ってたくせに、なぜダイアナの恋がトップシークレットだったのか理解できません。

本当に色々と残念な点が多かったです。
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