一度きりの大泉の話
」のレビュー

一度きりの大泉の話

萩尾望都

パンドラの箱を開けてしまった

2021年4月28日
一度読んでしまうともう以前の気持ちで作品を読むことはできない‥読者はそれなりに覚悟がいる内容だと思います。
大泉の頃は世代ではないけれど私も少し興味があったので映像化したい人達の気持ちはわからなくはないですが、当人が拒んだ時点でメディア関係者は引くべきだったんでしょうね。
引かなかった結果として天才の静かで強烈な怒りに触れてしまい、一度きりながらこういう形でパンドラの箱が開いてしまうことになったのでしょう。
そんな禁断の語りすら読み応えのある作品になってしまうところが天才ゆえの恐ろしくも哀しい性ですが、誰もがもう充分傷ついたと思うので、著者だけでなく関わった人達の以降はこの件について思い出さずに暮らせることを願います。
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