十年後にあがった、あの日の雨。
」のレビュー

十年後にあがった、あの日の雨。

幸田みう

繋がっていた淡い恋に感動ーーー。

ネタバレ
2021年5月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。フォローさせて頂いてる方のレビューが後押しして頂きました。ありがとうございます。
素敵でしたぁ。うん!すっごい素敵な十年愛。読んで良かったぁ。
いつも友達の輪の中心にいるマサを、陰ながらこっそり眺めている鳴海。太陽の光を求めて、花や葉が光射す方向へ向いてしまうように、マサに視線が向いてしまう。明るい太陽のようなマサと、対照的に影のような鳴海の距離感。ただ光がなければ影もできないし、熱い日差しから影の涼しさに癒される事もある。二人を見ていて、そんな関係性が浮かびました。
マサに対する憧れのようなものが、恋心に移り変わるのも自然で、キュンとします。雨の日のたった一度の出来事が、いつまでも心の中から離れない。降りしきる雨や雨音が余計に切なくさせますね。
十年たった後も消えない想いが、再会で更に熱を帯びて…
私の中の勝手な予想では、鳴海の切ない恋の展開だと思っていたんです。だけど、スゴく嬉しい予想外。私が思っていた以上に、そして多分鳴海が思っている以上にマサが鳴海を愛してるぅ。キュンですよ、キュン。高校時代の回想で、繊細に物語る淡い想いが素敵過ぎます。
荒れた母親を見て傷ついてるマサにとっては、鳴海の存在が唯一の癒し。若さゆえの衝動から逃げてしまっても、十年募る想いは、色褪せる事なく届いて良かった!ほんとに心に染みて、大好きなお話です。カバー下の二人が、可愛いです。
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