このレビューはネタバレを含みます▼
まず登場人物たちが皆とても素敵。主人公のシリルはきれいな容姿はしていますが色気振りまくタイプではなく、知識欲にあふれ自己を持っています。子供っぽくすぐ泣いたり感情のままに勝手な行動で先走る受が苦手なわたしにはそれだけでマル(笑)攻もただカッコいいだけじゃないバックボーンがあり、他、後宮で出会う公爵令嬢も将軍も宰相ももっと活躍してほしかったと思うほどキャラが立っていました。逆にいうと、主要な登場人物以外のモブが居なさすぎて若干不自然。将軍や宰相がいるのなら部下の一人や二人居ておかしくないのにそれが出てこない。その辺もあってお話はクライマックスで割とあっさり終わってしまった感はぬぐえません。お話も人物ももっと盛り上げられたのではないかと思い少し残念でした。
だけど甥との会話での攻のセリフ
「彼だけは残しておいてくれ。それだけでいい」
そう口にした攻の心情に思いをはせ泣けてしまいました。ここを書いてくれた作家さんに感謝。これだけでもう星5です。