大正ロマンチカ
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大正ロマンチカ

小田原みづえ

300字目安らしいが1000字書きたい

ネタバレ
2021年5月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず作者様のアンティークに対する知識が深く、画力の高さに大変感動した作品でした。お話の合間合間でアンティークを全く知らない私にも、わかりやすい豆知識コーナーがあり、そのおかげで話の内容がより掴みやすかったです。作りが複雑なアンティークの家具を丁寧に書いていらっしゃったことにも感動しました。(以下この漫画の魅力を可能な限り羅列します)

話の内容は、とにかく明とレイヴィス侯爵がずっとずっと互いを思って頑張り続けているところに心打たれました。明やレイヴィスだけでなく、佐伯と栞さん、ロイとマリーなどなどのカップルもお互いが幸せになるために自分にできることはなにか、それぞれが模索して世界に抗う姿にも感動しました。
話の展開も掴めず、先がとにかく気になるくらい面白展開でストーリーのシナリオが複雑でとにかく面白かったです。ヒール役はいましたが、番外編を含め読むとやっぱりこの漫画のキャラクターには悪い人は1人もいなくて全員が優しくて、嫌な気分になることなく読みすすめられました。全巻読み終わった今ではどのキャラクターも大好きになれました。尊い。あとこの漫画の良い所は感情の描写がとても丁寧で、ガッツリこの世界観に浸れる所です。「こういう描写があって、だからこのキャラクターはこんな行動を起こしたんだ〜」と推測できるので、よくある少女漫画のように読者置いてけぼり展開になる所がひとつもなくて読みやすかったです。あとレイヴィスの溺愛ぶりが最高に美味しいし、明がその上をいく行動をとるのも愛おしいです。あと個人的に葉山さんとエリーゼのペアが好きです。番外編でも登場はしましたが本当にキュンキュンしました。あのまだ結ばれてない感が好きです!
あと最終巻がとにかく最高でした。結婚式の幸せ〜なシーンで明の心情を書いているところとか、明が生死を彷徨っているときに出てくる大切な人たちとか、泣かせにきてます。あと最後の最後で読者を物語に参加させるのずるいです。本当に作者様はすごいです。

ただ最後にひとつ言うとするならば、レイヴィスはいつ明のこと好きになったんだろう…?ということです。外から来たお転婆娘をアッサリ受け入れる展開もびっくりですが、終始レイヴィスが優しいのでどのタイミングで好きになったのかよく分からなかったです。
長々と失礼致しました。この漫画を読むまで生きてて良かったです。
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