【単行本版】オメガ・シンドローム
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【単行本版】オメガ・シンドローム

小箱あき

手探りのオメガバース黎明期

ネタバレ
2021年5月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ ゲイを憎む医師・葛木×天涯孤独の孤児・ハル。健康診断の結果、男なのに妊娠できるオメガ症候群という耳慣れない病名を告げられたハル。なぜか自分を憎む元同級生の主治医・葛木の元で自分の性と向き合う、オメガバース黎明期のお話。4巻読了。あらすじから葛木とハルの確執が長く続くのかと思ったら結構あっさりまとまったのであれ?という感じだったけど、そこからがまたハラハラの連続。クラークがほんとにもう…しつこいし無駄に権力持ってて怖すぎる。葛木はあまりに重いものを背負って一人で苦しんでいて、父にもいろいろあったろうけど簡単に許せるはずもないし許さなくてもいいと思う。傷付いた自分を否定せず、自分が傷付けた人達に真摯に向き合うことで前に進もうとしている強さはハルと出会って得たものなんだろうなあ。題材的にもう少し重みがあった方が好みだったけど面白かった。ちゃんと妊娠、出産、子育てが描かれているのが新鮮。心也が可愛くて可愛くて。今後の話は個人的に…とのことですが、ぜひ電子でもお願いします!
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