今宵、囚われの君を。分冊版
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今宵、囚われの君を。分冊版

清永かすみ

従来とは違うイメージの吸血鬼

ネタバレ
2021年5月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 従来の吸血鬼概念とは違うので、最初、戸惑うかもですが、そういう世界観なんだと理解したらスルッと物語が頭に入ってきます。

作中に『覚醒』『興奮させる』『首を絞めて血流を滞らせる』等すると皮膚に結晶が浮き出て、その美しさから『剥製』にする、と描写があります。
その為、吸血鬼は迫害されていると言うよりかは、象牙のように乱獲されているイメージを受けました。ハンターとかもいますし。
(かくいう私も表紙の主人公の瞳周りの結晶に興味持って試し読みしましたし(笑))

主人公・イズミは、幼い頃、そんな吸血鬼が狩られる世界で、兄・イツキと二人隠れ住んでいた。
ある日から、兄は夜、1人で家から抜け出して人間と密会するようになる。
人間と会う事に危機感を持っていた弟は食ってかかるも止められず、ある日ついに兄は帰ってこなくなり…。

復讐の為行動するも、人間に捕まり、紆余曲折あって兄と密会していた人間・レオと出会い、肉体 関係を持ち、今まで感じた事の無い感情に翻弄され、自責の念からか兄の虚像に悩まされてゆく主人公。

4話まで読んで、兄の剥製を大事にしているレオの挙動にお兄ちゃんの死の真相が気になるところ。(兄の首に絞められた跡がある)

復讐しようとするんだけど、レオに優しくされ絆されてゆくイズミ。自覚してしまった恋心に悩む姿に今後の展開も気になります。

うぅ〜!主人公の回想で出てくるお兄ちゃんが可愛いので、正直、生きていて欲しかったなぁ…。
イズミが兄の剥製見た時、記憶の中の兄より小さく感じる場面は切なくなりました。

どこかで、イツキとレオの密会の話とかも読めると嬉しいです。
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