鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録
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鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録

吾峠呼世晴

😔残念でした。

2021年5月19日
ファンブック2、良かったところは鎹烏の名前のところくらいかな。
他のレビューなどでも言われておりますが、編集のやっつけ仕事なのか作者の後付乱舞なのかはわかりませんが、重ねられたキャラブレが多々あってガッカリしました。
特に柱相関図のところは迷走しているかのようなツギハギな感じで。
不死川実弥関連のところが特に酷く感じ、何かとカナエの名前が出されている事に違和感を覚えて人も多いようです。小説で絡みはあったものの、母を思い出して照れたりしたくらいで、その後の彼のモノローグや言動、原作も含めて読めばそうはならないというのが分かる性質なのに。
匡近が心配していたのを「カナエが心配していた」だけの記述にされたり、鬼の斬られ心地での上げ具合や画集やアニメでの捻じ込みにも不信感募りました。
不死川実弥は仇を討とうとすることもせず会議で「あーあ羨ましいねえ上弦と出くわさないけねぇ」のようなノリだったり無残戦でも火炎と真っ二つ攻撃でお館様と弟の仇を攻撃としていました。家族や悲劇や弟との話、「鬼は殲滅する」そのストイック信念を持つ彼が魅力的だったのに、「好きらしい」を加えたいが為に「恋愛に鈍い」だの「好みの話をして常々思ってた」とかを後付されてしまったようで、本編で見てきた彼のアイデンティティみたいなものや背中の殺文字、弟の存在や作品の兄弟の絆テーマそのものが薄っぺらくなってしまったようでボヤけてしまいました。
それを岩柱に言わせたり「妹だから」声かけるだの柱全体もなんだかイメージがおかしくなっていたり、「恋愛サークル化」「出会いの蝶屋敷」だの皮肉られるようになってしまいました。悲恋ものもはくこゆ、ラブコメはおばみつだけで十分良かったのに、その価値も尊さもぼやけてしまうような。ラブコメそのものが悪いとかではなく、整合性や時空やキャラが崩壊してまでも書かなきゃいけなかったことなのかなとずっと疑問に思います。せっかく引き伸ばさずに完結した作品なのだから、色々とおかしくなる後付設定的なものは蛇足なだけで、完結後に書かれても、考察の楽しみもなく虚無になるだけで、一般読者ではそんなこと気にしない人も多いのでしょうけど、キャラが好きでずっと見てきたからこそ違和感を感じずにはいられませんでした。
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