このレビューはネタバレを含みます▼
もう15年前に執筆されてたんですね。
今読んでも色褪せないどころか、今でも斬新的。LGBTも積極的に書かれてます。
海へ還るバスでも思いましたが、女性同士が多いかな。
少年アシベの頃から追い掛けてます、森下裕美先生。ふわふわな明るい話もダークな話も、しっかりオチも上手。
毎日の様に四コマをかかれて居るので、構成力、考察力、観察力が違うな。
20代で読んだ時あまりの内容に衝撃的過ぎてちょっと言葉にならなかったのですが、30代に読むと前と違う登場人物に感情移入してしまい泣きそうになった。また10年後読んだらどんな感情が出るかな。先生やっぱり天才だな…なんてアホな感想しか出てこない。
嫉妬、尊敬、感謝、復讐、愛情、苛め、介護、子供、同性愛、お金、仕事、結婚、離婚、家族、宗教
人間の弱さとか強さ優しさ色々詰まってます。良くここまで性別、年代、立場の違う人物が書けるものですね。
個性的で憎めないキャラクター。可愛らしい絵柄ですが正直、登場人物の毒有ります。アシベとかのふわふわ系にも毒があって面白かったですが更に毒を濃縮した感じ。猛毒でも中毒性が有り、媚薬でもあるストーリー。更に関西弁が自然と入って来るので憎めない。
個人的には3の女忍者が心に残りました。早く逃げて欲しいけど、良い思い出が邪魔をするんだよね。
焦れったいけど、ちょっとリアルで絶望した。こんなに辛くて悲しいのに思い出も世界も変わらない。
4の阿倍野マリアの大阪弁のおじちゃんも良い清涼剤になって良かった。クレーマーがファンになってる(笑)
重く書いてますけど、全体的に最後は少し救いが有りますのでスッキリです。是非とも一読を。