このレビューはネタバレを含みます▼
作者様買いです。およそ17年ほど前の作品で、多少なりとも古い印象があり、人物の身体のバランスに違和感がありますが、ストーリーが良いのでスルー出来ます。
表題作は、いわゆる不倫CPの話。妻子のいる山口課長とフリーターカズキ。不毛な爛れた関係のようですが、なかなか純愛です。素直になれずに、意地っ張りな言葉を投げるカズキですが、言葉と裏腹に心は求めてしょうがない。そんな描写が絶妙で、表情が語るってこういう事なんだなぁ。眠る山口を見つめるカズキが、たまらなく切ない。一方の山口も、カズキが離れる事を恐れつつ、家族も捨てきれない。娘に対しては、やっぱり父親であろうとする気持ちがよくわかる。そこが不倫してる男のズルさかなと思う。待たせるだけの男なのかもしれないけれど、待たされるカズキの気持ちを、ちゃんと汲み取って欲しい。お互い、わかりあってるからこそ、あんな目だけの会話が出きるんだろうね。すれ違うカプの切なさも上手い西田先生ですが、目と目の会話はしびれました。
表題作一本でまとめて欲しかったなぁ。
2話目は、うーん……ちょっと残念。
3話目もなかなか素敵な結末でした。男娼と仲介者。やっぱり、西田先生しびれます。
フォロー様のバカボンとれれれのおじさんの例えが、妙に面白かったです!