こいの徒花【シーモア限定特典付き】【コミックス版】
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こいの徒花【シーモア限定特典付き】【コミックス版】

横澤しっか

互いが大事な居場所

ネタバレ
2021年5月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ おぉ~っ!作者様の初コミックス!素晴らしいデビューを飾りましたね。読み応えありです。
ブラック会社で働く社畜・山崎。時間や休みの感覚失くすくらいマヒしてそう。そんな所で命削っても、会社は痛くも痒くもないのに…マヒした感覚が恐ろしい。
会社に忍びこみ、大金を盗んだ悠は、居合わせた山崎を誘拐してしまい…
そこから二人の奇妙な関係が始まります。
盗まれた金もワケあり。
悠も複雑なワケあり。悠の身の上が辛くて、哀しいんです。クズな母親。母親の身代わりに囲うヤクザ。陸上に夢を追い求めながら、絶たれてしまい奪われた人生。
悠の面倒を見てる三上は、悠の母親を思ってたのでしょうか…組のトップに逆らう事は命取りかもしれないけれど、もっと早く悠がボロボロになる前に逃がす事は出来なかったのかなぁ、と。最後いい人でしたね。
ヤクザとズブズブな警察白田。一番胡散臭くて、信用出来なかった。どうしたいんだ。
悠の身に心と身体の痛みが襲い続け、辛い人生だったけど、山崎と出会いやっと見つけた安住の居場所。それは山崎も同じ事で、ブラックに占拠された心は解放されて自由を得る事が出来た。心に空いた穴を埋め合うように、二人の心が重なり惹かれていくのが素敵。互いに見つけた安らぎは、手離す事が出来ないね。どこにいようと、二人でいれば大丈夫!幸せになって欲しいと、願わずにはいられません。悠には新たな夢を持って追いかけて欲しいです。
初コミックスで、この仕上がり。次の作品も楽しみですね。
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