いろのあじ
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いろのあじ

端丘

ふっと見つけた本が心に残る、そんな一冊。

2021年5月31日
二組の人生、あまりにも切ない。庇う人がいて幸運。でもでも、庇ってくれた人はその厳しい現実を通ってきたわけで。さらに、オーナの話にも泣けた。こんな過去があったなんて!好きな人を引き止める為に―そんな必要なかったのに―努力が泣かせる。それでも、最終的に二組が幸せ設定されていて救いでした。仕事上で次々と代わる男達。私生活では決して変わることなき男。他者に身体を売る行為と真逆の純愛。変化と安定二つの、安定こそ読者の心を捉えます。遠藤さんの真実の優しさと愛、いつまでも心に残ります。話内容エグいけれども読後感が清々しく下品に落ちないのは作者様の腕かな。最後はお伽噺のようで、ほっ懲り幸せでした。
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