このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズ第一作目。
ヤクザ物は他にも読んでいましたが、ここまでヤクザ臭が強いのは個人的に初めてかもしれません。
セリフの最後に「ああ?」とか「え?」とか「おお?」とかそれらしい音があって、「そう言えば、ヤクザ映画のセリフでこういうのがよくあるな」と、「ヤクザらしさ」を感じました。読んでいて、妙に楽しいフレーズになっております。
物語としては、ダークシンデレラストーリーと言いましょうか……。苦境にあった受けが知らずに知り合った攻めの強さや立ち位置、財力に助けられるという物語。そして、攻めも銭湯に行けない体でありながら、無邪気な四歳児と自分が惚れた美青年と小さなアパートの部屋で家族ごっこして幸せを味わい、今後も守って行きたいと思うストーリーでした。子供が可愛いんです。「また来てね」が言えなくて「カレー美味しいよ。今夜はカレーだよ」と一生懸命言い募るところが切なくも愛おしいシーンでした。シリーズが進むとこの弟もかなりの設定で主人公の座に就くのですが、この時はまだかわいいちびっ子でした。シリーズを読んだ印象としては、生々しさがあるヤクザ物なので、好みが分かれるだろうなぁ~とは思います。でも、この一作目は比較的読みやすいと思いますので、まずはこれを読んでみて、多少、生々しさや暴力シーンがあってもこのキャラたちを見守りたいと思えたら先に進まれればよいと思います。
グロテスクな暴力や濡れ場を好まない私でも、このシリーズは大丈夫でした。……一部、ギリギリセーフと感じるところはありましたが(^^;)