子薫仙郷
」のレビュー

子薫仙郷

月夜堂

感動:約千年の人生譚◎

ネタバレ
2021年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 《BL小説》輪廻転生ファンタジー

『花晶奇譚』で興味深かった薬草の子薫さまの名前あるタイトルを見つけ読んでみたところ〈花晶奇譚シリーズ〉の元となる話のようですね。同じ世界観のガッツリしっかりした物語で感動しました。

自然に恵まれた曰佐菱山のふもとで、山の神や天狗が居る津野瀬村が舞台。始まりは戦国時代よりずっと前。

未婚女性なら男性の婚姻関係問わず身体を許す習慣があるのどかな村で、妻子ある男との子どもに産まれた子薫(旧名 伊佐治)。大飢饉の生贄となり曰佐菱山の神の子として、神さま、仙人さま、天狗の恣さまに育てられ、曰佐菱山と村民を護ってきた千年程の長い長い子薫さまの人生譚。泣けました。

生きる事も死ぬ事も諦めた子薫さまの儚げな生き様が凄かった。『花晶奇譚』で子天狗の翠嵐とニコイチだった理由が微笑ましく、長く孤独だった子薫さまに子どもの様な存在が出来て涙が出る。千年近くかけて唯一の願いがやっと叶った今、翠嵐と共に山を降り看護学校で授業を持ちながら、村民の健康を守り、愛する人との温かな家庭がある日常の素晴らしさ◎感無量!!

『花晶奇譚』の他の仕者のドラマも読みたいです。
特に花晶さまと國倉さま(^^)
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!