個々の尊重

ネタバレ

2021年6月10日

このレビューはネタバレを含みます▼ 最新刊、ヌードモデルの恋人を描いている最中に来客があっても隠そうとしない画家のシーンが最高でした。
この1シーンだけで、「恋人だとしても今は『モデル』の仕事中であり、それを隠そうとすることは彼女の『モデル』としての仕事を愚弄することになりかねない」という考えが根付いているのだと分かります。
結局はシェフのことを慮り、服を着るよう薦めてはいましたが、それもあくまで『友人』を気遣ってのことです。
一昔前の画家とモデルが恋人同士という設定だったら、モデルが「キャーッ」と言ったり、画家が突然の来客にモデルの裸を見られて怒ったり、というシーンがたくさんあったはずです。
しかしながら、この漫画にはそれがない。それがとても心地好い。

『Artiste』というタイトルに恥じない、芸術家たちの個々がとても尊重された、素晴らしい作品だと思います。

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セイさん

(女性/40代) 総レビュー数：13件

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