傘を持て
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傘を持て

たうみまゆ

愛し愛され、うらやましい!

2021年6月14日
城田がヤクザの息子と知っても意見した時から、すでに胆を持っていた野中。優等生を演じ、己の中の悪を理解していた野中だからこそ城田の流した涙に胸打たれたのかも知れません。人の一生、運命決めるのは、本当些細なことから。たったそれだけのことで野中は約束されたであろうエリート人生を振り、城田と共に歩み道を選んだ。端から見たらもったいないと映るかも知れないが、幸せか否かを決めるのは当の本人。世間様ではない。愛する人の傍に居る野中は、実にのびのびとヤクザ界を泳いでいます。続けていればこの世界でも、きっと大物になっていたことでしょうが、ここでも又、あっさりその世界を捨て、約束通り城田と海外逃亡、正しくは駆け落ち。後半、野中がディトレーダーになっているのは、妙に納得。それにしても、今までなーんか冴えなかった城田が、こいつを台無しにしていいのは世界でオレだけなんだよのシーンは、ちょっと感動。さらに、野中は野中で、僕の世界はお前が居る場所だけだ。なんて、もう、バカっぽの雄叫び。余生を二人で、ハワイで暮らす姿が目に浮かびますよね。
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