東京怪童
」のレビュー

東京怪童

望月ミネタロウ

シュールかと思えばリアル

ネタバレ
2021年6月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ フランス人の友だちに強くすすめられて読み始めました(翻訳版を読んだそうです)。冒頭、試し読み部分だけだとシュールでSFちっくな雰囲気だけの漫画かとおもいましたが、1巻終わりから俄然おもしろくなりました。ファンタジーを挟みつつ妙にリアルで説得力あり。思ったことをなんでも口にしてしまう主人公ハルや様々な脳の障害や事情を抱えた人たちの葛藤や衝突、関わりがハルや周りの人にも変化、影響をもたらし、意外な結末に震えました。一人でいたいのに、人との関係でしか自分を測れない人の持つ歪みや矛盾、生きにくさや痛みがヒリヒリと感じられます。試し読み部分だけではわかりませんが、起承転結がしっかりしています。
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