ニビとクロバ
」のレビュー

ニビとクロバ

よこざわ

欠けるものを埋め合う二人に涙。涙。

ネタバレ
2021年6月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家様です。フリマで何気に購入した作品。買って良かったぁぁ。大当たりの買い物でした。こんなにボロ泣きする良作、久しぶりです。

好きだとか愛だとか、そういう感情が欠落している探偵・ニビ。ニビ色(鈍色)からくる名前だそうです。そのまま、自分の感情に鈍い男。

ニビが出会ったウリ専のクロは、妾腹として生まれ、母親にも愛されず、父親や義兄にも疎まれ不要な存在として扱われてきた。
クロはただただ誰かに愛されたかっただけ…必要とされて、居場所が欲しかったんですね。胸が痛い…
嘘でもいいから、薄っぺらくてもいいから、欲しいたった1つの言葉。
気休めでもいいから、抱いて欲しい……クロのささやかな望みが胸を刺します。あぁ、ダメだ泣く。

寄り添いながら、何かが芽生えそうなニビだけど、あまりにも不器用で…手離してはいけなかったクロ。
初めて知った感情。
一人になる事の寂しさ。
もう、涙が止まりません。

約束を果たしたニビの涙がたまりません。
あぁ、幸せになって欲しい。

クロを苦しめた父親と義兄は、天罰が降り、ザマアミロでございます(笑)

めちゃくちゃ良い作品に出会えました。オススメです!
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