このレビューはネタバレを含みます▼
BLとして括るのは勿体無い傑作だと思います。
表紙から70年代風のアメコミ、ゾンビ目線からのアングル。これがデビュー作品ですか。
病床で描いたとありますが、正に全身全霊を感じるストーリーでした。片手間には読めないです。全体的に濃く、ゾンビのグロさやカニバリズムも出てきますので全ての方にオススメ出来る作品では有りません。人類として崩壊した世界のほの暗い描写の中で第三者目線では最悪な結末ですが、本人にはこれ以上無い純愛で綺麗。変異体が救いにも見える。
ゾンビの変異体と生きる為の決断、レ イプをした男に誘拐され共に旅をする話、兄との思い出と共に生きる弟の話。全て途中で終わっているけれど、オムニバス方式なので彼らの答えは他のストーリーに書いてあります。
なので二度見、三度見必須。
赤ん坊のママに 「 お前には何が見えてるんだ?」と有るので感染者と無感染者の見え方は違うのですか?急にゾンビに変わるのでちょっと混乱したのですが。
人間の最後の究極の欲って承認欲求なのかも知れない。最後のカバー裏を見て感動。あぁなるほど、これ自体がそういう事なんですね。