年下王子は最凶魔術師 世界征服より溺愛花嫁と甘い蜜月ですか
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年下王子は最凶魔術師 世界征服より溺愛花嫁と甘い蜜月ですか

白石まと/ことね壱花

姉妹共に幸せになってよかった

ネタバレ
2021年6月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 王太子18歳×男爵令嬢21歳。父が守ってきた領地と妹を守るためヒロイン姉は16歳の時に20歳年上の公爵と結婚する。短期間乳母の田舎に預けられたヒロインは、原っぱで“魔術師の卵”のヒーローと出会う。三ヶ月後、お互いの掌に名前を書き、再会の約束をして別れる。九年後、ヒロインの義兄と水面下で手を組み、長兄、次兄共に国外へ出奔させて王太子となり、国王に彼女との結婚を承服させる策士ぶり。彼女に来る縁談を裏から潰していたのはヒーロー、協力していたのが義兄、表立って良縁を叩き潰していたのが姉、というのはエグすぎる。婚約者として王宮に上がったその夜、二人は結ばれる。彼女が溢す涙から魔石の中でも最強の聖石が生まれることを知ったヒーロー。聖石は魔術師が喉から手が出る代物なので、ヒロインが狙われないよう対策を取る。熱烈に愛し合う二人だったが、式まで一ヶ月弱のある日、三日間限定で彼女は公爵家に里帰りすることにした。しかし宰相に唆された姉とギルドの魔術師でもあった侍女の手により、ヒーローがかつて幽閉されていた塔に閉じ込められてしまう。ヒーローの魔力を暴発させて大陸中の魔術師を動かそうと目論む宰相。感情に任せて魔術を使うことを禁じた彼女との約束を守ることに専心し、宰相の思惑を打ち破る。攻防の最中、宰相に操られた姉が妹を刺す間際で義兄が盾となり身代わりとなる。王太子の魔方陣とヒロインの聖石で命を取り留めることに成功した。多忙を極める夫から大切にされているのは感じるが、愛されてる実感が乏しくなったヒロイン姉の孤独。重傷を負いながらも義兄は妻への愛を余すことなく伝え、彼女もまた夫への愛と妹への変わらぬ想いに気付いた。諦めていた子供を授かったことが分かった時、妻に跡取りだからではなく、貴方との子供だから愛しいと言葉にした義兄が一番格好よかった
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