青い鳥つかまえて
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青い鳥つかまえて

夏目みや/八千代ハル

お嬢様命

ネタバレ
2021年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 成り上がり商人23歳×元貴族令嬢19歳。父親が残した借金のため、競売に賭けられたお嬢様の前に五年前突然姿を消したイケメン使用人が現れる。8歳と12歳の時にヒロインが孤児だったヒーローを街で拾ったことから始まった主従関係。六年ぶりに再会した彼は口が悪いのは変わらぬものの、年齢を重ね更に魅力が増していてヒロインはその一挙手一投足に翻弄される。彼の言葉が足りなさ過ぎて、買われたのは取引先との材料にするためと思い込み、自分の想いを封印しようとするヒロインが健気すぎる。誤解を生みやすいヒーローだけど、身分差があるのは百も承知の上で、彼女の青い鳥を叶えるために必死に成り上がってきた苦労人。しかし愛情と欲望は別物だと、後腐れのない複数の女性と体だけの関係を節操なく結んでたのは微妙かな。一途にヒロインのことを想ってたというには、ちょっと違うかも。とはいえ、遊びで戯れる女性に共通するのはヒロインと同じ金髪で、同じ色の瞳。体の関係から入って本命の人になりたいと願った女性から見たら最悪な男だわ…。ヒロインと再会してすぐに己の爛れた女性関係を整理して容赦なく切るとか、ヒロイン以外には対しては情けも何もありゃしない。そんなヒーローは念願の両想いになってから、天然気質のヒロインの掌で踊らされても幸せいっぱい。番外編で彼の心の内から溢れだす、恋する男の心情が思う存分に伝わってきた。鈍感な彼女に余すところなく伝わりますように!
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