偏愛獅子と、蜜檻のオメガ ~カースト底辺は獣人御曹司に囚われる~(分冊版)
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偏愛獅子と、蜜檻のオメガ ~カースト底辺は獣人御曹司に囚われる~(分冊版)

伽野せり/北沢きょう

王道ーー優しい獅子

ネタバレ
2021年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 横柄にしか見えない獅旺、物腰穏やかな白原が隣にいたから余計に重圧感を与え、また過去の経験から夕侑には特に警戒心と恐怖心しか湧かず身構える存在でしかなかったのでしょう。本当は誰よりも正確な判断力と統率力、勇気と情熱でいっぱいなのに... 回を追う毎に、獅旺の夕侑への接し方に優しさと配慮、慈しみの思いと包み込むような愛情が溢れ、膨らんでいきます。初めて会った時から運命の番と判っていた獅旺は、夕侑と距離を縮めたい、好きだと伝えたい、愛してほしいと思っていたでしょう。守ってあげたい、誰にも渡したくないーーでも自分では夕侑を傷付けるだけしかない。離れるしかない‥獅旺と夕侑、それぞれの葛藤が痛かったです。
毎週更新されるのが楽しみでした。発売予定日が表示される度高揚しました。また読める、続きが気になる、と。でも予定日が更新されなくなった時、10話で終わりなんだと淋しくなりました。最終話はこれまでの纏めで回収が主だっていたようで、最後だからこそもう一つ踏み込んだ内容を期待していましたので物足りない感が強いです。優しい気持ちにはなりましたが‥番になった後のちょっと先の二人、孤児の夕侑が初めて家族となる獅旺との子供の声が聞こえる情景など、是非番外編として書き続けて頂きたいです。単行本化も期待しています。
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