このレビューはネタバレを含みます▼
大江山の鬼(酒呑童子、茨木童子)を題材にしたお話は数多がありますが、こちらの作品はそれをうまくTL作品として活かしていると思います。フォクシーズ先生の美麗な絵がマッチしてとても素敵です。国を追われ、流れ流れて日本に着き、大江山に隠れ住み鬼と恐れられる西欧人シュテルン(酒呑童子)と、そこに生け贄としてやって来た姫君の凛。真面目で純粋で思いやりのある2人が、惹かれあい想いあう様は切なくもあり。そこに安倍晴明が悪役として絡んでTL作品としてはコミック2冊分以上の読みごたえがありました。ただ最後、あれはあれでハッピーエンドだったのでしょうが、船出した一行がどうなったかなどがもう少し読みたかったな、というところで物足りなさがあり、☆4としました。