【合本版1-10巻&異伝 淡海乃海1巻】淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~
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【合本版1-10巻&異伝 淡海乃海1巻】淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~

イスラーフィール/碧風羽

冷徹で苛烈ーーそんな主人公が魅力的!

ネタバレ
2021年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 戦国時代に逆行転生する物語で、よくある設定ではありますが、この手の小説の中では断トツの面白さです。

これまでも“なろう”で読んでおり、書き下ろしが読みたくてこちらのセット巻を購入しましたが、買って悔いなし!の面白さでした。

逆行転生物だと、主人公が現代人特有の優しさとか出して、「人を殺すのはダメ!」みたいな戦国時代には全く合わない倫理観を振りかざす展開がありがちで、読めば読むほど萎える…的な作品が多くあります。

しかーし!本作品は主人公が計算高く、敵には冷徹であり、戦いでは苛烈でもあるので、読んでてホントにスカッとします!
その戦国武将としての強さ・カリスマ性に、周囲の武士たちが畏れながらも魅了されていく様子は読んでるだけで胸アツです。
唯一、側室関連のネタがちょっと苦手なんで、そこだけちょっと飛ばしぎみに読んでますが(女性に振り回される主人公が嫌)、それ以外は何度読んでもホントに面白い作品だと感じてます。

歴史に関してもよく調べて考えられてるなぁ~と感心するところが多々あり、ストーリーとしてもよく練られています。
現代知識で内政チート発揮する作品もよくありますが、そこら辺はさらっとしています。戦国時代ということで、戦の部分と、時代に翻弄されるキャラクターの心情をきっちりと深掘りして書いているので、それが骨太のストーリーにさせているのかなと思います。

また、こちらのセット巻には、if物の『羽林、乱世を翔る』の一巻も入っており、お得感があります。
こちらは主人公が公家だったら…というifストーリーですが、これも面白いです。
主人公が武士の本編に比べると、政に養母とか婚約者とかの女性陣が首を突っ込んで来すぎで、そこが鼻につきますが(苦笑)、それ以外は主人公の強かさが巧みに描かれていて楽しく読ませてもらってます。
個人的には、本編にあまりなかった、信長との絡みが多くあるので、そこが嬉しくもあり、今後展開が楽しみでもあります。

もし興味があってもセット巻に躊躇してしまう方は、まずはバラ売りの方から購入してみても良いかもしれませんね!
ぜひとも読んでみてください(^^)
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