きみの春花
」のレビュー

きみの春花

有馬嵐

ずっと見守りたい______※2巻追記

ネタバレ
2021年7月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男子校に転校してきた純恋と《孤高のマドンナ》と称される美しい先輩の東城。

あとがきで作者さんが「エロはなくてもいい、大きな事件も起こらない。二人の恋愛のステップアップが描きたいです」と書かれていたとおり、東城と純恋の出会いから恋愛関係になっていく過程を優しくゆったり描かれた良作だった。


綺麗な見た目の東城は過去に友人に裏切られ、教師からも性的対象として見られ、他人と距離を置いているから噂が独り歩きして生きづらかっただろうなと思う。

純恋は元々真っ直ぐな性格だろうけれど、転校生だったからこそ余計な情報も邪推もないままで東城に出会えたことが奇跡だったのかな。

変な当て馬も大きな事件も何も無いのに飽きることなく、純恋と東城を見守るのが楽しくて仕方なかった。できることならば大学生になった東城と、東城卒業後の学校にいる純恋の様子や、大人になった二人の姿も見守りたい。



*2巻読了*

1巻完結と思っていたお気に入りの作品に続巻が出ることは本当に嬉しい。無印を読んだときに東城と純恋のその後を見たいと思った願いが叶えられた1冊だった。


大学に進学した東城と新学年になった純恋には新しい交遊関係ができ、よくある当て馬登場か!? と身構えていたら、想像と違う切り口で物語が進んでいき、佳木の言葉に考えさせられたり、少しずつステップアップしていく二人にニマニマしたり、単純なストーリー展開でないのが楽しかった。

2巻では登場無しかと思われた元生徒会長の安藤がチラッと出てくれたのも嬉しい。


あとがきで作者さんが「続刊でお会いできたら」と言われていたので3巻が出るかも♪ と楽しみな反面、くせ者の佳木や二条の動向、今度こそ当て馬とかお邪魔虫が出てくるのでは……と少し心配になる。
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