パブリックスクール
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パブリックスクール

樋口美沙緒

一巻ずつ満点以上の星をつけたい

ネタバレ
2021年7月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ いじめモノが苦手なので、評価の高さは知りつつも避けていたこのシリーズ。ようやく読みました。読めてよかった。読まないで生きていたことを後悔しました。二日間かけて一気に読みました。まだ余韻が抜けませんん。

虫シリーズと同様、愛とはなにか、という言葉にしてみると恥ずかしくなるようなこと、でもとても大事なことを、深く深く掘り下げて書いたお話でした。傾向は虫シリーズとも共通しますね。生まれ持ったものによる苦しみ、持てる者、持たない者の苦しみ。不憫受けに、スパダリだけどどうしようもない弱さを抱えた攻め。受けの中に眠る強さが攻めを救い、受けをさらに強くする。

今回はさらに、現代美術と音楽という、才能や世間の評価など悩ましい要素にがんじがらめになった世界が舞台になります。そして、共通するモチーフは鳥。

ケイトはやがて、どのような仕事を自分のために見出すのでしょうか。お父さんには会いにいけるのでしょうか。そこが書かれていない限り、まだ続編はあるはず!!と、希望をもって刊行待機する所存です。

イラストも、この組み合わせでなくては!という最高さでした。このシリーズでの画集がほしい!
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