来たる晴れかけの明日よ
」のレビュー

来たる晴れかけの明日よ

上田アキ

お互いが相手の傷を癒やす

ネタバレ
2021年7月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 廃品回収業者の晴仁さんと、親に廃品として捨てられた桜次郎が、同居して一緒に働くうちにお互いの傷を癒やしていく話。
親が捨てる?しかも弟も捨てようとするし、ファンタジー?と思いましたが、ふわっとした気持ちで受け流しました。止まっていた時計は、晴さん(とおじいさん)の孤独の象徴で、一人では直せないものを桜次郎と一緒だから直せたのかな。
晴さんが意外にえっちなお兄さんらしいので、もっとそういうところも見たかった。でも全体的に穏やかで、重めの話のわりには読後感はいいです。
瀬戸内海の穏やかな晴れの日の風景が目に浮かぶようでした。
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