成層圏の灯
」のレビュー

成層圏の灯

鳥人ヒロミ

読ませるBLの名作

2021年7月25日
あのね、この作品、一筋縄にいかんのですよ。惚れた腫れたでは結末を迎えられない、どこまでも面倒くさい、人間のしがらみとか理屈とかエゴとか、崇高なまでの愛情とか。そういうものがしっかり表現されていて、泥の中から何か美しいものが暴かれていく過程をみたような気がしました。

私自身が10代から40代へ時が進んで再読しましたが人が人を愛するってことは、美しいことであると同時に抗い難い本能と軽薄さで出来ているのでは、なんて染み入ったり。
まるで映画を観ているような気持ちで読める作品だと思います。星5。
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