このレビューはネタバレを含みます▼
私がまだ若かった頃、1989年発表の物語だ。
バブルの只中にあって、消費への渇望は自分を売って稼ぐ事で満たされた。
お金という現実の武器を携えても、心の枯れは癒されない。南の島に行く事が最後の望みとなる。
大好きな物に囲まれて、大好きな場所で大好きな人とだけ過ごすのが幸せなら、もう主人公に武器はいらないだろう。
その10年後にはi-modeのサービスが始まり、皆のポケットにインターネットが装備された。
身知らぬ他人との繋がりに心が疲れた時、この物語が読みたくなるのはなぜなのか。