ブルーブラック
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ブルーブラック

宇佐木

文房具特に万年筆の奥深い世界が垣間見れる

ネタバレ
2021年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 文房具、特に万年筆の奥深い世界が垣間見れる物語。そして、普段はクールなヒーローの強い恋情と嫉妬心や執着心、独占欲など、愛される喜びを女性にこれでもかと、味わせる内容にドキドキが止まらないロマンチックな恋愛模様。
もてるヒーローにまとわりつく女性達の存在に、ヤキモキしたり、嫉妬に苦しめられるヒロイン。そんな心のうちも素直に出すヒロインにさらに、恋情を煽られるヒーロー。ヒロインに言い寄る同僚男性に毎回嫉妬心をむき出しにしたりと、仕事が出来るクールな大人の男性なのに、ヒロインにはむき出しの心で向かう様は、ドキドキさせられるロマンチックさ。メーカー担当者女性の強引で卑劣な誘惑にも、怒りに駈られながらも、最後まで女性という生き物に紳士に対応したヒーロー。そんなヒーローの紳士ぶりが、女性とのホテルで同じ部屋という一夜に結びいてしまい、傷ついてくヒロイン。ヒロインを傷つけたとわかっているものの、それでも、男性として、女性を外に放り出すことが出来ない紳士的な優しさを持つヒーロー。それは、卑劣なヒロインへの罠でも、最後まで冷静な怒りを表すという態度になり、それが、女性にだめ押しをすることに。
しかし、物語だから、あんな卑劣で強引な誘惑にも何も起きなかったし、そして、ヒロインも傷つきながらも、何か理由があるはずと、ヒーローを信じて、その後の二人の関係にも影響しなかったけど、現実ではそんなふうにはなかなかいかない。
美人の強引な誘惑に負けてしまう男性も多く、それこそ、据え膳を喰わないのは、男の恥なんて言葉が昔からあるように、男という生き物は誘惑にひどく弱いのが現実。どんなに愛する女性がいようが、彼女や妻がとても美人だろうが、それでも、積極的な女性の誘惑に弱く、ふらふらするのが、男という生き物。世の中に、昔から美人局があるように、積極的な女性の誘惑に負けて浮気してしまう既婚者男性が多いように、略奪結婚が芸能界に多いように、あくまでも、紳士的な優しさがあっても、誘惑に負けないヒーローに、そんなヒーローを最後まで信じて、その後にも引き摺らないヒロインの一途さも、物語だからこそ。現実の恋愛では、一度でも他の女性とホテルの同じ部屋で一夜を過ごした相手を信じきり、その後も気にしないなんて、あり得ない。もてるヒーローにその後も誘惑がある度に疑いそうなのが人間らしい心理。ヒーローの嫉妬する様子は可愛い。
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