寄生獣リバーシ
」のレビュー

寄生獣リバーシ

岩明均/太田モアレ

8巻読んだ感想、ネタバレありの

ネタバレ
2021年8月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「ただいま」。
寄生獣でこの言葉は、くるものがあった。
それを使うのかとも思った。
全体的に本編よりも淡々としていて主人公はただの人間。
敵も最終戦でハッキリ言って、か弱い。
しかもこちらの武器は拳銃。バトルとしてはあまりにも普通。
これはただ広川の息子に生まれただけの普通の少年が、人間の理の中で、ひっそりと戦う物語だと思いました。
派手な戦闘が繰り広げられている市役所。
そしてか弱いが最強である後藤。
人間側が9割勝利し後藤が蹂躙する最中、地下駐車場という何とも目立たない場所で行われる最終決戦。
盛り上がりに欠ける様は、本編の後藤にトドメをさす時の言葉を思い出しました。
その一方でストーリーにあまり影響を及ぼさない知性派の誕生過程も描かれていて、特殊と思われていた田村玲子が、ひょっとしたら1トレンドの頂点だったかもしれないと思わせるところ等は感動すら覚える。
その反面、脳を乗っ取られてない敵、知能知識が要求される筈の医師が脳筋だったりする。
解釈の幅が広がったり、またはヒントを与えてもらったりで非常に楽しめました。
(ふと思いつきの追記。)
漫画界の頂点といってもいいバランスの取れた輝かしい本編に比べれば、地味に暗く日の当たらないこの作品は闇、影、側面、アングラ、裏、、、いやリバーシか。
色々考えてもタイトル以上のは思い付かなかった。
両作品ともタイトル素晴らしい。
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