日の当たらない場所
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日の当たらない場所

たつもとみお

名作…

ネタバレ
2021年8月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「明治従属タングステン」を読んで、なんとストーリーが美しくきれいなんだろうと驚かされ、作者の既刊を読み始めました。この作品もすばらしく、まさにあっぱれ!ストーリー重視の自分としては大満足でした。
ゲイで日光アレルギーの寛也とイケメンだけど孤独を抱えている拓斗。島という小さな世界の中で心を通わせていきますが、あることがきっかけで2人は離れていきます。時を経て2人は再会するんですけど、お互いがお互いを忘れられずにいて、心にぽっかり空いていたものが埋まっていく感じが読んでいて伝わってきて、それはそれは美しくて…。でも甘いだけじゃなくて、社会的な問題がいくつも絡んでいるのでたくさん考えさせられました。生きにくさの中に、逃げずに戦ったり、自分にできることを探したり、絶対に揺るがない相手を想う気持ちがあったりと、2人のつながりがより強固になるとともに、周囲をも変えていく様に感動しました。ぜひ多くの方に読んでいただきたいステキな作品です。
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