10年越しの恋だから
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10年越しの恋だから

多摩緒べべ

海の底に沈んだ10年を照らしてくれた子

ネタバレ
2021年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ (※単行本版はこちらの単話版から大幅に修正されています。このレビューも単行本版の参考にはなりません。後述。)
●10年越しに再会したその日に、憧れが一気に恋に変わる。幼い頃出会って自分に夢を与えてくれた憧れの人ハルが、今ぶすぶすと燻ってる。笑ってほしい、いろんな表情を見たいと、真っ直ぐハルに向かっていく鳴海。ハルは鳴海に絆されながらも、10年ずっと腐ってた自分に自信が持てない。そんなハルに鳴海は「10年も待っててくれてありがとう」「今のハルさんが好き」って言うんです。ハルも鳴海のことを「光みたいな子」って表現してる。光のように明るく温かい鳴海が、ハルを冷たく暗い海の底から引き上げてくれた。まさにハッピーエンドでした。
●単行本化にあたっては大幅にリメイクされていて、単行本版のレビューにも記載しましたが、お話の背景的なところがかなり異なります。幼い鳴海が、自分の得意なことを褒めてもらって嬉しくて、そのまま将来の夢に繋げるという出会いのエピソード。ハルが店長への想いを捨てきれずに波に乗れなくなって、でも離れられなくて…という10年も続く心のくすぶり。個人的にはこちらの単話版の方が好きです。
●1話でいきなりえっちしちゃう展開。2話の鳴海がキスでグイグイ押すシーン。3話で髪型を変えたハルが鳴海を意識しちゃうところ。これらは好きだったけど単行本でカットされてしまいました。(丸ごと描き変わった3話は、単行本版の方も好きですが。)立読みやレビューがそのまま単行本版の参考にはならないのでご注意を。私は結局両方読みたくて購入してしまいました…笑
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