ロイヤル・シークレット
」のレビュー

ロイヤル・シークレット

ライラ・ペース/一瀬麻利/yoco

人としてのありかた

2021年8月31日
最近読んだ本からイギリス繋がりでこちらを。タイトルと表紙絵もそそられる。そしてサイコーに良かったです。ローマの休日のBL版かと思ったらロマンスで終わらずもっと現実的な問題に立ち向かっていくことに。ケニアで出会ってチェスから始まるというのが粋。合理的に愉しむ関係から徐々に深く愛し合うようになるまでが丁寧で王子ジェイムスが女々しくないのに人として可愛い。ベンの真っ直ぐさ、カサンドラのサバサバした性格など少なくない登場人物がみな個性的です。2巻では妹王女インディゴの苦しみ、妹を思いやる兄の思い、老執事ハートリーの深い愛情に泣いてしまった。特権階級と庶民の生まれとでは生きる世界が違うけれど生まれよりも人として品位をどこに持つのか。ベンの元上司やジェイムスの脅迫者やマスコミ、対して誠実な友人やキンバリーなど信頼は生まれでは計れないよなぁと思います。翻訳本なので特有の言い回しやセンテンスが短いところがドライな印象に感じましたが読みやすいです。yoco先生のイラストもすごく良いです。クールでありながら情熱的な物語をお求めならぜひ!
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