愛蔵版 蛍火の杜へ
」のレビュー

愛蔵版 蛍火の杜へ

緑川ゆき

色褪せることのない名作🌱

ネタバレ
2021年9月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作、心がふるえます。結末はわかっているのに…読むと毎回泣いちゃいます(;_;)泣きたいとき、夏の終わりに読みたくなります。

最初で最後の抱擁のシーンがとにかくいい…お互い近いうちに訪れる別れを意識しながら惹かれ合っているからなのか、とても切なくつらいのに、なぜか読み終えると前向きになれる稀有な作品です。

描き下ろしがあると聞き、今更ながら愛蔵版(10年前に発刊されていたみたい)を購入しました。蛍が帰った後のギンのお話。はっきり感情を言っているわけでもなく、表情もお面でほとんど見えないのに…ガッツリ気持ちが伝わってくるこの感じ…懐かしいです。行間読むのが楽しい&繰り返し読みたいという人には特にオススメです。

せっかくなので手元にある単行本(初版)と見比べてみました。電子だと白黒はっきりしているので森の怖さ妖しさ倍増です。夏の森の音や匂いまでしそうな雰囲気です。セリフの改行部分もすっきり修正されててとても読みやすくなっていた!でも最後の方の見開き2ページのあの余韻はやっぱり紙じゃないと味わえないかなぁ(/_;)…紙で読むこと前提の時代(約20年前)の作品なので当然ですね。。とはいえ電子でも見られてありがたいです。とにかく表題の作品は、色褪せることのない名作です。
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