このレビューはネタバレを含みます▼
終始ストーリーや描写が駆け足で進んだ印象です。
普通は「似てる」と思った時点で嫌悪感しかないはず。良い人だとわかっても、恋愛的に惹かれるかしら?そして腕の字を見てやはり同一人物と確信→復讐を決意…はわかるけど、主人公のあまりの計画性のなさに落胆しました。最初から復讐を決意したものの具体的にどうするかなどの考えがなく、とりあえず「自分を好きにさせてフッてやる」という自分がされた事に比べたらダメージ皆無と言っても良いほどの浅い計画スタート。
そしてとんとん拍子で交際に発展したのは良いけどキスされて「自分をおそった相手とキスとか無理…!なんでそんな事考えなかったんだろう?」って、エーーーーー!と思いました。付き合ったは良いけどその後の具体的な復讐計画全く考えてなかったということ。そして翌日やっぱり無理だから別れます、実は私あの時の被害者ですって自らアッサリカミングアウト…。なんじゃそら!でした。
そしてやっぱり好き…からの結婚…おかしいです。本当に。
そういうストーリーなのであれば、せめてもっと細かい心理描写や葛藤や周りの人間関係をもっと絡めて読者を納得させた上でもっと引き込む必要がある。絶対に間違っても最後「そこから2年後」と色々省略して結婚でハッピーエンドはやってはいけない。それだけは絶対やってはいけなかった。読者置いてきぼりだし全然入り込むこともできず放置プレイです。
幼少期の心理的原因からの犯罪者が完全に更生した上180度別人のように性格や本質まで変わるということ自体ごく稀なケースです。そしてそこへさらに被害者が容疑者を好きになって結婚までするというストーリー。この作品の短さと作者の描写能力では明らかに無理があった。