ふたりぼっちの片思い
」のレビュー

ふたりぼっちの片思い

ときたほのじ/オイナリ

「覚えていて」「思い出して」

ネタバレ
2021年9月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●「完結」の表示はないですが、3話で区切りついているみたいです。各話約25Pの中短編なので、土台や枝葉の部分はバッサリ切られている感じがありますが、過去に実は出会っていた二人が通じあっていく過程にフォーカスされていて、分かりやすくキュンとできます。
●高谷の思考や行動はかなり支離滅裂です。鈍いしネガティヴだし流されすぎ。自分に自信がないというのが根底にあるからなのですが…。そのくせいきなりの誘い文句!多分、1話の初めからもう高谷は神田のこと好きですよね…無自覚に。初えっちは合意であってほしいんですが、無自覚のまま流されてしちゃった感じです。でもそのときの神田の「覚えていて」というセリフが好き。
●「覚えていて」って、結構なパワーワードだと思います。認識して、脳に焼き付けたうえに、時の流れや変化に勝らないと「覚えて」いられない。高谷は過去のことは忘れていたけど、神田との体験を「覚えて」しまって好きを自覚した。神田は昔のこともずうっと「覚えて」いたけど、高谷の戸惑いを察して忘れようとした。高谷が神田と過去に出会っていたこと気付いて思い出して、ちゃんと好きを伝えられて、通じ合えてよかった。
●「思い出す」もキーワードになっているかな?過去についてはもちろんですが、二人とも初めて身体を繋げたときのことを「何度も思い出して…」って言ってたのが印象的です。
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