明日の君に、言いたい事がある。
」のレビュー

明日の君に、言いたい事がある。

瀬戸うみこ

大大大満足。映像化希望。

ネタバレ
2021年9月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ カスタマスカレード等でギャグとストーリーに定評の有る瀬戸うみこ先生ですが、今作はストーリーを重点においたミステリー作品です。
主人公 カナは12月24日に兄 の律が殺害された。本当は、俺が殺される筈だった。
そして毎年12月24日には同様の殺害が繰り返される事になるが、5年目の同じ日 幼なじみの悠晟が殺されてしまった。俺が運命を変えてしまったからだ。
カナは死ぬと24時間前に戻れる能力を使い、助けるために命懸けでタイムリープします。
今作は5年分の関係者やら友達やらが出てくるので登場人物は多めです。
被害者の遺族の過去は重く特に悠晟のDVによる機能不全家族として育った過去はリアルで痛々しかった。
家族の為に我慢していたことが、更に悪循環にさせては居たがこれは全て母親の問題なので、足枷なんて思わないで欲しい。
1人では抜け出せなかった闇から救ってくれたカナに惹かれるのは必然で段々2人の関係が逆転するのは自然で違和感なく溶け込めました。
各人物が「他人は皆自分と同じ思考回路だと思ってるのか?人の思考を勝手に決めつけるな」の様なセリフが出てきますが、立場や状況によって救済にも絶望にもなる。こんなにも違う解釈に成るのか。瀬戸うみこ先生に感心しました。
タイムリープものなので正直何処に繋がったのか迷子になり、何度も戻って納得する。の繰り返しでしたが、これ多分私の能力の問題ですね。

後半、各其々のパズルのピースが集まり怒涛の勢いで犯人まで進むストーリーは最高に楽しかった。
途中感動で鳥肌が止まらなかったです。

私は最後の最後まで犯人は分からなかったので緊張感が凄い。ネタバレ厳禁。
このレビューネタバレになって無いですよね…?
一応ネタバレ有りにしておきますね。

シリアスながら途中ギャグが良い塩梅で、私は好きだけど醒めるのもちょっと分かる。カスタマでも思いましたが、顔が似ていてやはり女性に見える時もある。
それを凌駕するストーリー。是非とも映像化を!

タイトル、明日の君に言いたいことがある。読了後だと更に深い意味に感じました。

レビューが少ないのが驚きです。こんなに面白いのに。是非とも機会が有れば読んでみてください。

全くの蛇足ですが、個人的に最期のタイムリープ前の惨状が何と無く ゲームかまいたちの夜のバッドエンドの1つに似てて懐かしかったです。
いいねしたユーザ13人
レビューをシェアしよう!