Jの総て
」のレビュー

Jの総て

中村明日美子

コレクションの方にて購読すべし。。

ネタバレ
2021年9月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ マリリンモンローになりたかった「 おとこの娘 」の子供時代から大人になるまでの波乱万丈ともいうべき人生のお話。
60年代のアメリカを背景に、セクシャルマイノリティゆえの孤独や偏見や葛藤を抱えながらも、受け入れ諦め、傷つき傷つけつつも強く生きる姿が描かれています。
無邪気で美しく可愛い小悪魔のような一面を見せつつ、儚げで傷つきやすい一面も持ち合わせている「 J 」に、息が詰まるような過酷な状況に晒される度、見ているのが辛くなってしまう。
所々に歌の歌詞がでてくるんですが、その歌詞がその時々の心情や状況を表現されているのにも目を惹かれました。
ポールとの再会時の歌詞でも、
「愛されたいの。あなただけに あなたひとりだけに 」
もうこれだけで閉ざされた恋心が一瞬で溢れかえっているようでした。
モーガンも最高にいい奴だった。しかし彼からも言い様のない切なさが伝わってくる。あのハンカチにはどんな想いを抱きながら返して欲しいと言ったのだろうと考えてしまいます。
3巻に渡り、JとJに関わった人々の生きる姿が、甘美であり残酷であり、感情が揺さぶられつつも、何とも言えない読了感に満たされる御本でした。

ところで此方の御本、コレクションに入っていたんですね。。しかも、お値段も安くなってて番外編や書き下ろしがあったんですね。。。読み終わってから気づきましたよ。フォローさまのレビューがあったのでよく見ずボタンをタップタップ。。またやらかしてしまったと思いましたが、とても良き御本に巡り会えたので満足です。笑
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