このレビューはネタバレを含みます▼
魔導士が虐げられる国ラバルタとあるので他の国では違うのかもしれないが、それでも疑問に思ったことを書いていく。
魔導士が不浄なものとされているのはいいとして、なぜそうされているのかという理由が「魔を暴走させて、危険だから」というのが納得できなかった。
よほど田舎の村でなら教育を施せないので、暴走が危ぶまれる、というのはわかる。
しかし、学び舎のようなものがあり、その力を使いこなせるようになるのであれば、作中で言われている治安維持の仕事だけではなく、軍隊を動かすときに部隊に数人の魔導士を配属すれば飲み水の問題を解決、緩和できるだろうし、火起こしなども簡単に短時間でできるだろう。
他にもゼクスが見せた爆発が他の魔導士にもできるのなら単純に戦争に役立つだろうし、活用方法はいくらでもあるように感じる。
そもそも医学がどれほど進んでいるのかわからないが、このような時代の村で治癒のようなわかりやすく役に立つ力がある者が虐げられるのが納得いかない。
普段虐げている魔導士に自分や家族などの治癒を依頼することを考えることはないのだろうか。そんなことをしていたら大きな怪我を負ったときに、治してもらえない可能性を考える人はいないのだろうか。
それに、簡単に思い浮かんだだけでも火起こし、水、治癒、爆発などを考えただけでも魔導士が多く軍隊に配属されている国とそうでない国との戦争で途方もない差が生まれるように感じる。
過去の魔女狩りのように虐げられることも考えたが、魔女狩りと違い、実際に目に見えて効果がある魔導士と同じように考えることはできないと思う。
普通に考えるなら、魔導士は国が徴兵して幼いころから自国愛を刷り込み、魔道を制御するすべを教え、魔導士を軍人として育てるだろうと思った。
他国ではそうしている国もあって、今後の展開にかかわってくるのかもしれないが、そうだとしたらなぜその他国は攻めてこないのか新たに謎が生まれる。
周辺国に対する大義名分がないから攻めてこないだけかもしれないが、そうだとしたらラバルタの未来は暗いだろう。
上記したことに目をつぶっていれば、それなりに面白く読めたので、星2とした。
今後、納得できる説明が出てくるのであれば、評価も変わるかもしれない。