このレビューはネタバレを含みます▼
『手紙物語』が好きだったので、レーベルクーポン半額にて作者さんの作品をまとめて購入。こちらの作品もとても良かったです。
ある日、突然、学校に女子の制服(スカート)を履いて登校してきたDK太一を中心にお話は進んでいきます。太一を面白がる(いい意味で)クラスメイトの白井さん、太一の彼女の水先輩、太一の両親、その他のクラスメイト、キーとなるスカートおじさんと助手さん。何て言うか、読者への投げかけも脇道があるというか、作者さんの「幸あれ」の方向性は決まっているけれど、決して押しつけがましくなくて、登場人物を通して、読み手が考える(迷える)ことができる余白がいいなと思いました。
(ココカラネタバレ→)
白井さんがいい味出していますが、正直「何者!?」と思ってしまうことも笑。太一の父への物言いとか、「えぇ!」って感じでした。あー、このまま白井さんが太一と付き合うのかな~と思ったけど(白井さんの水先輩への返しも…ムムム)…とても嬉しいラストでした。水先輩、いじらしいんだもん。スカートおじさんの言葉を聞くと余計にそう感じる。助手さんが言う選択肢ももちろんありだと思う、その出会いは幸福だと思う、けれど、やっぱり目指したいのは、人を傷つける”暗黙のルール”が取り払われ、好き合う同士が笑顔で隣を歩ける社会だなと思いました。