けだものたちの時間~狂依存症候群~(分冊版)
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けだものたちの時間~狂依存症候群~(分冊版)

big brother

なかなかに残酷

ネタバレ
2021年9月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ よくあるヤンデレ系の単純な物語かと思いきや、複雑に登場人物それぞれの心理描写がされているつい続きが気になってしまう作品です。グロリョナスカ要素有りなので苦手な方は避けた方がいいです。性的、身体的、心理的ぎゃくたいを受けて育ったあいりとひろくんの2人と、裕福では無いが心身共に満たされる暖かい家庭で育ったゆーくんとのギャップが見ていて1番しんどいです。やっぱり良好な環境で育った人間には毒親の元で育った人間の気持ちは一生理解できないのでしょうね。全ての親が正しく、家族なら恩を返さなければならないと思っているうちはあいりの本質的な傷を癒すことも気づくことも出来ないのだろうな、と思いました。ゆーくんに苛立ちを覚えてしまう一方、「いい人」のゆーくんが最終的に選ばれないのだろうと思うとそれもまたしんどい、、、ひろくんがやった事は許されることではなく、正当に裁かれて欲しいと思うのは大前提で、ただぎゃくたいやアタッチメントの世代間伝達の恐ろしさというか、救われないやるせなさも感じざるを得ません。とても面白いです。続きが楽しみです。
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